■ 有機化学分野
電気を通す有機平面分子の開発
有機機能化学研究室
Keyword
・導電性有機分子・有機−有機金属ハイブリッド分子 ・自己組織化単分子膜 (SAMs)・ナノ表面構造制御 ・含カルコゲン活性化学種・不斉合成・医薬品合成 ・超原子価化合物・エンジニアリングプラスティック |
■有機元素化学の最先端
●近年、様々な有機分子を用いることで、分子スケールから新規な機能を持つ材料を構築する試みが盛んに行われています。
私たちの研究室は、「有機元素化学」を研究の中核に据え、 「有機材料化学」、「有機電気化学」、「構造有機化学」、「有機合成化学」、「創薬化学」、「高分子材料化学」 の6つの分野をテーマの柱として、新規で有用な有機分子の創製を目指し、日々研究を行っています。
■研究テーマ
- ▼有機電気化学
- :有機電界効果型トランジスタへの応用を指向した分子の創製
- ▼有機材料化学
- :多電子移動型有機-有機金属ハイブリット分子の構築
- ▼構造有機化学
- :超原子価構造を有する高周期カルコゲン化合物の合成と構造解析
- ▼有機合成化学
- :含カルコゲン活性化学種の有機合成への応用
- ▼創薬化学
- :アルツハイマー治療薬を目指したアミロイドベータ産生機構の解明
- ▼高分子材料化学
- :高性能エンジニアリングプラスチックの製造方法の確立
有機電気化学
有機電界効果型トランジスタへの
応用を指向した分子の創製
●近年、有機分子を素材構成最小単位として構築される有機半導体が注目され、研究が行われています。私たちは、有機薄膜トランジスタの有機半導体層を構築する新規な導電性分子の開発、電荷移動型自己組織化単分子膜による電極、絶縁層の界面修飾によるトランジスタ性能向上、有機半導体デバイス駆動型有機ELデバイスの作製、三つの観点から研究を行っています。

有機合成化学
含カルコゲン活性化学種の有機合成への応用
●有機化学の新反応は、医薬品や農薬等をはじめとする、様々な有用有機化合物の効率的かつ選択的な合成に大いに貢献します。近年は有機合成化学の分野において、ヘテロ原子を含む化合物の特異な反応性の研究と 実用的応用が盛んに検討されています。私たちはカルコゲン原子と炭素原子の二重結合を含む活性化学種の発生とそれらの化学変換について、研究を行っています。

創薬化学
アルツハイマー治療薬を目指した
アミロイドベータ産生機構の解明
●アルツハイマー型認知症(AD)は、全世界の高齢者を悩ます進行性の神経変性疾患として知られており、創薬化学においてAD治療薬の早期開発は重要かつ最優先の研究であるといえます。私たちは、AD治療薬の開発を最終目的とし、 発症のトリガーとなるアミロイドベータ(Ab)の生産過程の解明を目指した有機低分子の設計、合成、ケミカルライブラリーの構築、薬理活性評価を行っています。

高分子材料化学
高性能エンジニアリングプラスチックの
製造方法の確立
●ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、極めて高い耐熱性、剛性を有し、耐薬品性に優れた難燃性樹脂であるため、多くの機械・機構部品に使用されています。私たちは、現行製造法におけるPPS樹脂の残存ハロゲン、製造コストの問題を解決するため、ハロゲン原子を含まない原料を用いたPPS合成反応を行い、現行法に変わる低コスト、ハロゲンフリーな新しいPPS製造法の開発研究を行っています。
