FACULTY OF SCIENCE AND ENGINEERING, GRADUATE SCHOOL OF ENGINEERING, IWATE UNIVERSITY

化学・生命理工学科 化学コース

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有機・高分子化学分野

機能性高分子の精密合成と機能評価

高分子機能化学研究室

Keyword

  • 高分子合成化学・高分子材料化学・高分子機能化学
  • 精密重縮合・ブロック共重合
  • 高耐熱性樹脂・有機/無機ハイブリッド・低誘電率/低誘電損失材料・イオン伝導性高分子・高屈折率光学樹脂・液晶配向膜・酸素応答性樹脂・ガス透過性樹脂・フッ素系樹脂・生体適合性樹脂・ポリフェノール・ドラッグデリバリーシステム

ハイテク産業を支える機能性高分子の開発

多様な機能性を有する新しい高分子材料が航空宇宙分野、情報通信分野および環境エネルギー分野などのハイテク産業を支える先端材料として活躍しています。このような機能性の高分子材料を開発するためには、機能団を有する機能性モノマー(高分子を合成するための原料)を分子設計して合成し、それを最も適した重合法で高分子化合物に転化する必要があります。当研究室では、新しい精密重合技術や新規な機能性高分子の開発を行っています。

研究テーマ

トリアジン環を有する機能性高分子材料の開発

トリアジン系機能性高分子材料

本研究では、種々の機能団を有するトリアジン系モノマーが機能性モノマーであることに着目し、これらの機能性トリアジン系モノマーを用いることにより、機能性高分子材料の新たな分子設計法と合成法を確立している。
この方法を応用して、イオン伝導性高分子電解質、プロトン伝導性高分子電解質、酸素応答性樹脂および撥水性フッ素樹脂などを開発している。

シリル化法による機能性縮合系高分子の合成に関する研究

シリル化されたモノマー

本研究では、シリル化されたモノマーがケイ素原子に基づく特異な反応性を有することに着目して、シリル化モノマーを用いる縮合系高分子の新規な合成法を確立し、新しい機能性高分子の合成を行っている。
このシリル化法を応用することにより、低屈折率高分子、低誘電率高分子、疎水性エポキシ樹脂および有機-無機ハイブリッドなどを合成している。

磁場配向を利用した高分子配向フィルムの作製技術

高分子の配向フィルムは、液 晶ディスプレイ用の液晶配向膜や複屈折膜などとして広く使用されている。当研究室では、液晶材料の磁場配向特性を利用して、光硬化性液晶材料を磁場配向させてから光硬化させることにより、高分子配向フィルムを作製する新しい技術を開発している。

光パターニング

傾斜配向フィルム

縮合系高分子の精密設計とそのブロック共重合体の新規相分離構造材料の開発

本研究では、付加重合のリビング重合技術で得られるような精密設計が縮合系モノマーでも可能であることを利用して、様々な“かたち”の縮合系高分子の合成を目指している。
さらに、この精密に設計されたポリマーが発現するミクロ相分離構造の解明と材料への展開を研究している。

分子鎖長のそろった芳香族ポリアミド

天然物を原料とする高性能・高機能プラスチックの開発

高性能ポリマーと言えば、芳香族ポリアミドに代表されるエンプラである。しかし、エンプラはその高安定性のために廃棄焼却時に不完全燃焼を起こし環境汚染を引き起こす。
天然物由来のモノマーを使用し、ポリマーのリサイクル技術を確立すればこの問題を解消できる。
最近、植物からバイオエタノールが製造されているが、これは、植物に含まれるセルロースのみを使用する技術であり、残りのリグニンと呼ばれる芳香族化合物は廃棄処分している。
当研究室では、このリグニンやフラボノイドに着目し、酸化カップリング重合という環境にやさしい手法により、非化石資源からの新素材開発を行っている。

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