工学部応用化学・生命工学科「有機合成化学」第2回レポート課題
2011. 7. 5. 島田和明

[] 次の化合物の構造をフィッシャー投影式で示せ。
 (a) L-フェニルアラニン (b) L-シトルリン (c) D-アルギニン (d) L-トレオニン (e) アリーン

[2] 以下の語句について具体例をあげて説明せよ。
 (a) エドマン分解 (b) ガブリエル合成 (c) カルバペナム系抗生物質 (d) グラミシジン S (e) 等電点 (f) グリオトキシン (g) 有機触媒 (h) 脱水縮合剤DCC (i) ドーパミン (j) アミノ基の保護と脱保護

[] 以下の問いに答えよ。
(a) 下記の化合物中の不斉炭素を「*」印で示し、その絶対立体配置をRS表示で示せ。
  (i) L-トリプトファン (ii) グルタチオン (iii) アリーン (iv) ペニシリン N (v) カイニン酸
(b) 安息香酸エチルとN-エチルベンズアルジミンについてそれそれの化合物の構造式を描き、それぞれについてre面とsi面を表示せよ。
(c) 臭化エチルとベンジルアルコールについてそれぞれの化合物の構造式を描き、それぞれについてpro-Rとpro-Sの水素原子を示せ。
(d) 市販の「スポーツ系アミノ酸サプリメント」から1種類の商品を選び、その商品名とメーカー名、成分表の内容、およびその中に含まれる成分の構造式を記せ(ポカリスエットやアクエリアス等のイオンサプライ系飲料は不可)。
(e)  L-アスパラギン酸・L-プロリン・L-リジンの等モル混合物がある。この3種類のアミノ酸を分離精製するためにどのような操作を行えばよいかを説明せよ。
(f) トリペプチドAsp-Pro-LysとLys-Pro-Aspの完全な構造式を示せ。
(g) (f)に挙げた2種類のトリペプチドAsp-Pro-LysとLys-Pro-Aspを化学的に識別するにはどうすればよいか。考えられる方法を具体的に説明せよ。ただし「識別」とは分離された両者を構造確認によって区別することであり、両者の分離操作ではない。
(h) 工業的なアミノ酸発酵に関して調べ、どのような方法で行われているかを説明せよ。
(i) pH 10.0の水溶液中でL-グルタミン酸とL-アルギニンはそれぞれどのような構造で存在しているか。構造式で示せ。
(j) 人工甘味料「アスパルテーム」の工業的製法について説明せよ。

[] 以下の化学変換による生成物(有機化合物)の構造を示せ。
(a) N-ベンジルオキシカルボニルバリン + 水素ガス + パラジウム-炭素 (Pd-C) →
(b) p-アニスアルデヒド + シアン化水素 (HCN) + アンモニア(NH3) →
(c) L-リジン + 過剰量の塩化ベンゾイル(C6H5COCl) →
(d) p-トルアルデヒド + エチルアミン(C2H5NH2) →
(e) ベンゼンチオール + 水酸化カリウム(KOH) + ヨウ素(I2)→
(f) Phe-Leu + フェニルイソチオシアネート(C6H5NCS)+ 加熱 →


[] 左の化合物から右の化合物を合成するための合成経路を示せ(ただし1段階の化学変換とは限らない)。
(a) フタルイミドカリウム → DL-トリプトファン(Trp)
(b) L-フェニルアラニン(Phe) → N-ベンゾイルフェニルアラニン
(c) L-トリプトファン(Trp)とL-フェニルアラニン(Phe) → ジペプチド Trp-Phe
(d) D-乳酸 → L-アラニン
(e) 安息香酸 → N-フェニルベンズアミド

[] 「マクマリー有機化学(第7版)(下)」の教科書の以下の問題に解答せよ。
(a) 第26章の「26-30」「26-34」「26-45」「26-53」「26-58」
(b) 第29章の「29-27」「29-35」「29-52」

 以上の設問に対する解答をA4版のレポート用紙に記載し、8月2日(火)の講義終了時に提出すること。