工学部応用化学科「有機工業化学 」2002年度前期期末試験問題

[1]次の分子中の6員環をイス型の立体配座で描き、それぞれの置換基がアキシアルかエカトリアルかを示せ。
(a) 1-メチル-trans-デカリン
(b) アンドロステロン

[2]b-D-リボフラノースに対して以下の試薬を作用させた場合の生成物の構造を示せ。
(a) ヨウ化メチルと酸化銀
(b) 無水酢酸とピリジン
(c) トレンス試薬
(d) エタノールと塩化水素

[3]次のテルペン系化合物中のイソプレン単位の位置を示せ。(図は省略)
(a) a-ピネン
(b) グアイオール
(c) ビタミンA

[4]L-セリンとL-バリンにより構成される2種類のジペプチドの構造を不斉炭素の絶対立体配置を含めて示せ。(ただし、セリンとバリンの示性式はそれぞれ HOCH2CH(NH2)COOH、(CH3)2CHCH(NH2)COOH である)。

[5]ジペプチド Leu-AlaをL-ロイシンとL-アラニンから合成するために必要な化学変換の手法を具体的な試薬を用いて示せ。(ただし、ロイシン とアラニン の示性式はそれぞれ (CH3)2CHCH2CH(NH2)COOH、CH3CH(NH2)COOH である)

[6]「配糖体(グリコシド)」につき、以下の問いに答えよ。
(a) グリコシド結合について説明せよ。
(b) 配糖体(グリコシド)の具体例を一つ挙げ、その構造を示せ。
(c) 配糖体(グリコシド)の一般的な合成法について知るところを説明せよ。

[7]松ヤニ中に含まれるモノテルペン化合物であるa-ピネン (A) に対して酸を作用させるとフェンコール (B) やボルネオール (C) が得られる。有機化学の観点からこれらの生成物の生成経路を説明せよ。

[8]オレイン酸 (A) を化合物 B, Cに変換する経路を用いる試薬を具体的に示しながら説明せよ。ただし1段階の化学変換とは限らない。
(a) ステアリン酸メチル (B)
(b) ノナナール (C)