Q & A:無機廃液

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(Q) 微量ながらも無機廃液中の有機物の混入は避けられない。

(A) ごく微量の有機化合物の混入はあり得る事かもしれませんが、明らかに目に見える程の有機層が無機廃液中に混入しているような回収は極力避けてください。

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(Q) シアン廃液とチオシアン酸イオンは区別するべきではないか。

(A) 廃液処理業者はシアン廃液を酸化処理によりシアン酸塩に変換します。シアン酸化合物とチオシアン酸化合物は構造や反応性が類似しており、処理上の支障はないとのことです。

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(Q) 重金属のシアン錯塩と錯シアン化合物の廃棄はどうするべきか。

(A) 重金属のシアン錯塩や錯シアン化合物の水溶液はシアン廃液とは別途に内容表示を明記の上で「シアン廃液」の区分で回収保管してください。

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(Q) シアン酸イオンを含む廃液に微量のシアン化合物が残留するような場合はどうすればよいか。

(A) シアン化物イオンに対して充分な酸化処理を施したものを内容表示付きで廃液回収に出してください。廃液処理業者の説明によりますと、微量のシアン化物イオンの混入したシアン酸イオン廃液は処理上の支障にはならないそうです。

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(Q) ヒ素・セレン系の「系」とは何を示しているのか。

(A) ヒ素・セレン系廃液の「系」とは、ヒ素・セレンの単体およびそれらを含む塩全般を指します。ただしセレン単体は固体であり廃液処理の対象となりませんので、廃棄する場合は濃硝酸による酸化処理が必要となります。

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(Q) フッ化物と重金属の錯体は廃液として処理されないのか。

(A) 回収時に既にフッ化物が重金属と錯体を形成している場合は内容表示をした上で「フッ素含有廃液」として回収貯留してください。

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(Q) 重金属の混合を避けるということは、イオンごとにポリタンクが必要ということか。

(A) マニュアルに示してあるように、複数の重金属イオンが実験廃液として出る場合にはそれらの混合をできるだけ避けて分別回収してください。複数の金属イオンを用いる研究室では研究室の責任においてイオンごとにポリタンク回収保管をしていただきます。ただしやむを得ず混合物の形でしか廃液回収ができない場合には内容物表示付きで混合物のまま回収してください。

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(Q) 重金属廃液の酸性化には具体的には何を用いればよいか。

(A) 揮発性や酸化作用のない無機酸として希硫酸を用いてください。

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(Q) 四酸化オスミウム酸化の後処理の水層はマニュアルによれば別扱いとなるが、そうしなければならない理由は。

(A) オスミウム化合物は極めて毒性が高いため、法律で厳密な管理が規定されております。オスミウム化合物については他の重金属廃液と混合しないように分別回収して頂きます。また実験操作法の改善・工夫などによりそのような混合廃液を作らないよう努めてください。やむを得ずオスミウムと重金属 I の混合廃液となってしまう場合にも内容表示付きで「オスミウムを含む無機廃液」としていただきます。またオスミウムと重金属 II の混合溶液は内容表示付きで「重金属 II」、水銀とオスミウムの混合廃液は内容表示付きで「水銀廃液」として取り扱ってください。いずれにせよ、オスミウムは微量であっても必ず内容表示を必要といたします。

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(Q) アルミニウムを含む無機廃液はどうすればよいか。

(A) アルミニウムは重金属とは言えないが「重金属 I」として取り扱います。

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(Q) 指定に該当しない廃酸・廃アルカリの pH 5 - 9 の水溶液はそのまま放流してよいか。

(A) 放流して差し支えありません。

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(Q) 重金属 I について、アルカリ性で処理しなければならないものはどうするのか。

(A) たとえば重金属 I のシアン化合物などの場合は「シアン廃液」として取り扱いますので、アルカリ性にして保管してください。

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(Q) 錯体・分析系の研究室では、金属イオンと同時に水溶性有機物を扱う場合が多いので、「含まないこと」を厳密には行えない。表現を変えていただけると助かる。

(A) 水溶性有機物というのはたとえばエタノールのようなものだろうと思いますが、微量の水溶性有機溶媒が含まれるような無機系廃液はそのまま無機系廃液のしかるべき区分に含めて下さい。内容表示も必ず付してください。
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